
黒地の絞り羽織。
丈がちょっと短いのが難ですが、状態もよく羽裏も汚れがありません。
羽織紐がついたまま売られている羽織をよく見かけますが、たいていは汚れがひどくて気持ち悪く、すぐに捨てております。
今回のは白地に金銀の入った羽織紐で、そんなに悪くないような印象です。
でも金銀は絞りと格が合わないです。

全体を見ると小紋柄みたいなのですが、近づくと絞りです。

黒留袖。
地色がすっかり灼けているのですが、この柄を何かに活用したくて、ついつい手放せずに買ってきてしまいました。

薄紫の色無地。
実際はもう少し薄い紫色です。
しつけがついたままで売られていました。
紋をチェックすると「桐」でした。
あちこち調べていると、片方の脇線に黄色い変色が…。
そうか、そういう理由で売っちゃったのね。と納得です。
解いてリメイク用にします。

赤い羽織。
疋田柄が雲のように描かれています。
この柄は絞りではなく、プリントで描かれた疋田柄です。

裏返してみると、背中側にかわいい模様が入っています。
いつもの同じ業者さんから買ったので、少し世間話をして別れました。
買った荷物を恋人氏に託して、目をつけていた他の着物業者さんも見てきました。
最近では遠目でも値段をはっきりと書いて商売している業者が増えたような気がします。
かつて、ブースの壁に素敵な振袖がかかっていたので値段を聞いたところ、到底手が出ない金額を言われて「あなたには買えないでしょ」的に横を向かれた屈辱があるので、1対1であまり話をしたくないのです。
子ども用の古い着物が1枚1000円、新古品の反物が1点1000円、絞りの羽織が1枚1000円でしたが、どれも心が動かず。
そうこうしているうちに、そのブースに私と同じくらいの年頃の女性がやってきました。
女「あの、ここにあった着物なんですけど…」
店主「いつ?昨日?初日?」
女「春にあった着物なんです。こんな、こんなヤツ」
店主「ああ、あれは今回は持ってきてないなあ。春と秋じゃ品物変えてるから。欲しいものがあったらその場で買わなきゃだめだよ」
という会話が耳に入りました。
売れたら終わりの1点ものの世界で、まだあると信じているお客さん、どこをどうひねったらそういう考えが出るのかしらと他人事ながら心配になりました。
その後反物をほじくり返していましたら、寄ってきた中年の夫婦の男性が一言
「ねえ、これ何?」
と私に話しかけるではありませんか。
どうやら羽織紐のことを聞いていたらしいのですがちゃんと『羽織紐』って書いてあるし、何言ってんだこの人と怪訝そうな顔をしてましたら奥さんの方が
「あなた、この人店員さんじゃないわよ」と気を回してくれました。
たまにこうした物販を手伝うことがあるので、店員のオーラが出ていたのかしら。
何だか不思議なことがいっぱいあった一日でした。